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GiGA CHANNELシリーズ
APM-425/APC-485に関するQ&A


「APM-425/ACP-485」は、ご好評頂いております「APM-420/APC-480」の上位機種です。 標準搭載メモリ容量が1MBから2MB、伝送路が1Gbpsから2Gbps、 PCIバスも32ビットから64ビット対応へと大幅な速度アップが図られております。 また、新規に「セマフォ機能」の追加が行われております。

Q1 APM-425とAPC-485の違いはなんですか?

答え

主な違いは以下の通りです。

機種 形状 PCIバス 最大メモリ容量
(オプション)
APM-425 PMC (PCIメザニンカード) 5.0V 33MHz 8MB
APC-485 PCIカード 3.3V 66MHz 16MB

その他、PCI・コンフィグレーションヘッダのプロダクトIDが異なります。

Q2 どんなコンセプトの製品ですか?

答え

複数のボードを高速な光ファイバーで接続し、通信する為のボードです。ソフトウェアから見れば、PCIバス上に共有メモリが2MByteアサインされているように見えます。その共有メモリを介してお互いが通信します。全ノードでデータを共有出来ますので、処理の分散化/共有化等に威力を発揮します。

Q3 何台接続可能なのですか?

答え

128台まで接続可能です。接続形態はループ・トポロジーとなります。またノード間の最大距離は150mです。

Q4 各ノードのアドレスはPnPですか?

答え

いいえ。各ノードはジャンパスイッチで自己のIDを固定指定します。同一ループ内に同じIDを指定することは出来ません。またマスタ・ノードが1つ存在する必要があります。マスタ・ノードはループ上を流れるパケットの管理ノードで、マスタ・ノードもジャンパで固定指定します。

Q5 通信の為の特別なプロトコル・スタックは必要ですか?

答え

いいえ。プロトコルは全てH/Wで行いますのでS/Wで制御を行う必要はありません。S/Wは共有メモリをR/Wするだけで通信が可能です。データを他ノードに送信する場合は共有メモリに書き込むだけで、接続されている全ノードはそのデータを参照する事が可能です。

Q6 データ通信(共有)以外の機能はありますか?

答え

ID=0〜31のノードでは任意のノードに対して割り込みを発生させる事が可能です。従ってデータの準備が出来た時点や変更を行った時点で一斉通知や個別通知が可能になります。また、エラーが発生した時点での割り込み通知や、共有メモリの排他同期をとるセマフォ機能があります。

Q7 セマフォ機能とはどのような使い方をするものですか?

答え

共有メモリの「あるエリア」を複数のノードで同時に更新/参照するようなアプリケーションを作成する場合に、他ノードとの同期を簡単に行う為のHW機能です。
例えばアプリケーションでセマフォに対応するエリアを決めておき、そこに対するアクセスを「セマフォ取得」→(参照や更新)→「セマフォ開放」の手順で行います。これにより全ノード間での排他アクセスが簡単に実現出来ます。セマフォは8個用意されていますのでシステム全体で独立した8箇所の排他領域を持つ事が可能です。
この機能は共有メモリのアクセスをHW的に制限するものではなく、アプリケーションで同期を取る為の機能です。従って共有メモリのアクセスの為だけに使用するのではなく、複数ノード間で任意のリソースに対する排他同期をとる場合にも使用できます。

Q8 実際の転送速度はどのくらいですか?

答え

APM-425の場合 = リードでおよそ210MByte/s。ライトでおよそ170MByte/sです。
APC-485の場合 = リードでおよそ380MByte/s。ライトでおよそ170MByte/sです。
また共有メモリ−メインメモリ間の転送はDMAをサポートしています。

Q9 接続されるノード数によって速度は変わりますか?

答え

はい。各ノードを通過する際のオーバーヘッドがあります。データを送出したノードのすぐ隣のノードと一番遠いノードとではデータの到着時間が異なります。ノードを通過する際のオーバーヘッドは約460nsです。またケーブル長によっても遅延が発生します。1m当たり約5nsで計算されます。

Q10 データの遅延時間を計算できますか?

答え

はい。通信プロトコルは独自のトークン方式を採用しており、各ノードはトークンが自ノードに来た時点でデータを送出します。送信を行う場合のベストケースはトークンが自ノード上にある場合、ワーストケースはトークンが過ぎた時点で送信する場合です。以下に例を示します。

ノード数=4、ID 0からID 3へ送信する場合(ノード間10m想定)
・ ベストケース 0→1→2→3  ノード通過数=3×(460+55)n 約1.5μs
・ ワーストケース 1→2→3→0→1→2→3 ノード通過数=6×(460+55)n 約3μs

Q11 サポートするOSは何ですか?

答え

Windows2000/XP, Linux、VxWorksの各ドライバーを用意しています。
詳しくは弊社営業にご相談ください

Q12 ITRONや他OSでも使用できますか?

答え

もちろん可能です。標準ドライバーは用意しておりませんが、実際にはメモリアクセスの概念ですので特別なS/Wは不要です。アプリケーションから直接R/Wする事も可能です。MMUを使用している場合や割り込みを使用する場合はOSによってはドライバーをお客さまで用意する必要があります。
詳しくは弊社営業にご相談ください

Q13 その他、注意する点はありますか?

答え

例えばx86システムとPowerPCシステムで通信をする場合は、「エンディアン」が異なりますので注意が必要です。通信するデータの特性によっては相手のエンディアンに合わせる必要があります。

Q14 どんなアプリケーションが考えられますか?

答え

分散処理を考えると、あるノードでデータを収集しそれを他ノードで分散処理するようなケースです。データは画像データであったり、他ノードの演算結果であるケースも考えられます。
逆に集中処理を考えると、各ノードが収集したデータを管理ノードで一括管理するような場合にも利用できます。また単純にデータ転送の経路としても利用できますので、画像データ+制御データを同じ経路に流す事が可能となり省配線化にも有効です。